語り継がれていく名盤 ― 100年後にも楽しく聴けるアナログレコードの選定のために
往年のフランスの名手、モニク・ドゥ・ラ・ブリュショルリは、残された商業録音が少なかったこと。その圧倒的なピアニズムで1960年代にヨーロッパ楽壇で一世を風靡した存在でしたが、1966年12月18日、ルーマニアでの楽旅の移動中に交通事故に遭い、51歳で引退したことから幻の名ピアニストとして生前から伝説的存在だった。
幼くして目覚しい楽才を発揮し、1930年代後半から精力的に活躍、大変な人気を誇った存在でしたが、レコード録音を移動先で思いのままに出来た演奏家は ― カルーソー、ワンダ・ランドフスカ、ロッテ・レーマン ― 限られていた。ナチス・ドイツのパリ占領中の1943年5月14日に、アンドレ・クリュイタンス指揮パリ音楽院管弦楽団と共演したベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番が、最初のSP録音となったのですが発売を差し止められます。この頃、パリに軟禁状態にあったフランスの名手たちはベートーヴェンやモーツァルトなど独墺系の作品に素晴らしい演奏を示すことで、自国民を励ますとともに暗にナチスへのレジスタンスの意思を示しました。
ベートーヴェンやモーツァルトは独墺だけのものでなく、世界共有の芸術遺産との考え方からです。しかも両者ともフランス革命から思想的に大きな影響を受けた作曲家でもありました。ジャック・ティボーはモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第5番やヴァイオリン・ソナタを録音、マルグリット・ロンはベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番《皇帝》を録音、発売しました。ティボーとロンがナチス占領下の1943年にロン=ティボー・コンクールを創設したのも、フランスの芸術文化の素晴らしさを示すことで、若手アーティストや自国民を励ますためでした。ブルショルリとクリュイタンスも、思いは同じだったと思われます。
彼女はヴァルキューレとなり、グランド・ピアノは軍馬となり、いまオクターヴ征討の戦いに進発する
オーダーは | 品番 / 34-16783 |
特別価格 | ¥1,760(税込) |
通常価格 | ¥2,200(税込) |
入手のメインルートは、英国とフランスのコレクターからですが、その膨大な在庫から厳選した1枚1枚を大切に扱い、専任のスタッフがオペラなどセット物含む登録商品全てを、英国 KEITH MONKS 社製マシンで洗浄し、当時の放送局グレードの機材で入念且つ客観的にグレーディングを行っております。明確な情報の中から「お客様には安心してお買い物して頂ける中古レコードショップ」をモットーに運営しております。